EV(期待値)とは
ポーカーは運とスキルが絡み合うゲームです。
運とスキルの割合は、ゲームの種類やストラクチャー(トーナメントの場合)によって異なります。
運の部分はコントロールできないため、スキルの部分をできるだけ高めることで長期的にはポーカーで勝てるようになります。
ポーカープレイヤーはよくハンド履歴をお互いに話したり、バッドビートの結果などに驚いたりしますが、結果よりも取ったアクションとそのEVを分析した方がスキルの向上につながります。
EV(期待値)はアクションを取った結果として予想される利益(または損失)になります。
例えばBTNからのオープンに対してSBで30BB持ちでQQのカードが配られた際に、各アクションで予想されるEVが以下になります。
- オールインしたら6.98BB
- レイズしたら 7.31BB
- コールしたら7.27BB
- フォールドしたら0BB
EVはどこから来るか?
どのアクションにするかを考える際に、EVがどこから来るかを考えましょう。
例えば上記の例ですと、QQをオールインするとQJs, QTs, JTsのようなドミネートしているハンドが降りてしまいます。
一方、レイズを選択するとそのハンドがコールしてくれます。
さらに、レイズを選択すると、A3s-A5sあたりからブラフオールインが来ることもあります。
オールインしたらそれらのハンドは普通に降りてしまいます。
同じ状況でSBでJTsが配られた際に、オールインが一番EVの高いアクションになります。
なぜかというと、KJo, QTo, QJoのようなハンドを降ろせるからです。
このようにアクションを取る際には、相手がオープンしているハンドを具体的に考え、そのレンジのどの部分からどのようにEVを取りたいのかを考えた上でアクションしましょう。
GTO WizardやPio、HRCのようなソルバーに書いてあるレンジをそのまま覚えるのではなく、実際にプレイしている相手の反応を考えましょう。
SBから30bbのオールインをした際にBTNはGTO Wizardのレンジよりもフォールドすることが多いと思われます。
そうすると、オールインのレンジを広げても良いです。
例えば22でオールインして、33-77当たりを降ろせると素晴らしい結果です。
一方88-99辺りでオールインして22-77辺りを降ろすと基本的に良くない結果になります。
スロープレイのEV
スロープレイは強いハンドをパッシブにプレイすることです。(もぐる)
例えばトップセットやオーバーペアをチェックしたりすることです。
相手を降ろしてしまいたくなくてスロープレイを選ぶ初心者が多いと思います。
スロープレイ自体は状況によって決して悪いプレイではありませんが、スロープレイを選んだ際にEVがどこから来るのかを考えた上でプレイしましょう。
少しでも弱みを感じてそこを攻めてくるアグレッシブな相手ならスロープレイのEVが通常のバリューベットよりも高いEVになります。
一方、相手がパッシブなプレイヤーでスロープレイに対してブラフをせずにただただチェックバックして諦めるプレイヤーなら、バリューベットの方がEVが高くなります。
結論
ポーカーは不完全情報ゲームであって、毎回確実にベストアクションを取るのは人間である限り不可能ですし、運の要素も入っているので毎回勝つのも無理です。
ただし、毎回具体的に相手のレンジと個性を考慮した上でEVが高まるようなプレイをし続ければ長い目で見て必ず勝てます。