日本のポーカー人口のほとんどは趣味として楽しんでいますが、中には「本業にできるか」と考えている方もいるでしょう。
プロとしてやるべきか、趣味として続けるべきか。
結論から言えば人それぞれです。
そこで僕の経験を交え、メリットとデメリットをまとめることで、迷っている方の参考になればと思い、この記事を書くことにしました。
背景
まずは僕の経歴について少し話したいと思います。
2012年から社会人として働き始め、2024年5月に一旦会社を辞めました。
最後の仕事は外資系企業の管理職で、リストラで退職金を受け取って辞めました。
そのタイミングですぐに転職をするよりも、少し旅行したり、ポーカーしたりしようと思いました。
海外旅行しながらオンラインポーカーをしたり、時々ライブトーナメントにも参加したりしました。
この1年でポーカー以外のこともたくさんしました。
家族の事情で母国へ一時的に戻ったり、色々なペーパーワークのために行ったり来たりしました。
完全にポーカーに集中してプロポーカープレイヤーしていたと言えるかわかりませんが、プレイ自体はプロとして真面目に取り組み、ウィンレートも良かったです。
この1年の経験とこれまでのサラリーマンの経験をいくつかの観点から比べていきたいと思います。
収支(仮)
この観点がおそらく一番気になるポイントになります。
僕自身の収支を書くよりも、フルタイムでプレイした場合の仮の収支を計算してみようと思います。
例えばAさんがオンラインのミドルステークスプロ(平均バイイン100ドル)だと仮定します。
Aさんは週4〜5回プレイし、月500トーナメントに参加します。
ゲームセレクションにもよりますが、ミドルステークスでのROIは上位のレギュラーだと20%弱だと思います。
AさんのROIは10%だとしたら(これでミドルステークスでは高い方です)1か月当たりの収支は、 500トーナメント × 平均バイイン100ドル × 10% ROI = 5,000ドル です。
年間で60,000ドルで、日本円で約900万円になります。
これは一般的なサラリーマンの仕事より高いと思う方もいるし、逆に低いと思う方もいると思います。
高いと思う方への注意点:
ポーカーは分散のあるゲームなので、もちろんこれより稼ぐ月もあるし、逆にマイナスの月も必ず出てきます。
当然ですが、通常の仕事よりリスクが高いです。
低いと思う方への注意点:
収支を増やすには、勉強してより高いROIを出すか、より高いバイインのトーナメントをプレイしないといけません。
トッププレイヤーならもちろんもっと稼げます。
稼働時間
オンライントーナメントをプレイするなら、1セッションが8時間位だと思います。
週3~4回プレイして、2~3回座学すると、一般的な仕事と稼働時間はあまり変わらないと思います。
ただし、休憩時間が少ないのと、稼働中は常に集中しないといけません。
そして普通の仕事と違って、何時に終わるかわからないことが多く、他の予定を立てるのは難しいです。
全体的に生活がルーティン化しにくくなって、健康管理にも影響します。
将来性
普通の仕事をすると、10年後役職と給料が上がることが当然だと思いますが、ポーカーは必ずしもそうではありません。
強いプレイヤーが増えたり、レーキが上がったりして、ウィンレートが下がる可能性も全然あります。
むしろ勝てなくなる可能性もあります。
独身&若いのであれば上記はあまり関係ないかもしれませんが、家族がいるともう少し長期的に考えないといけません。
ポーカーは将来性が不明確なので、勝てるうちにたくさん稼いで、余った分を投資した方が良いと思います。
1年の振り返り
この1年で上手くできたこと、できなかったことを振り返ってみようと思います。
できたこと
- オンラインシリーズ中のプレイ
シリーズ中はブレスレットや高額プライズ保証などに憧れてプレイしている初心者が多いためいつもよりEVが高くなります。
ただ、色々な変なバッドビートも増えるので、週5〜6回プレイするのはメンタル的にきつくなることもありますが、この1年で休まずにプレイできるスキルが付いたと思います。 - 座学
ソルバー(特にHRC) をたくさん回したり、コースを購入したり、コーチングを受けたり、データベースをレビューしてもらったりしてきました。
明らかに1年前より強くなった分野が増えました。 - ブレスレットFT
ブレスレット自体は取れませんでしたが、ブレスレットイベントのFTに2回行きました。 - コーチング
コーチングをした方々のプレイをちょっとでも改善し、座学の仕方を伝えることができました。
その方々の活躍を見ると非常にうれしいです。
できなかったこと
- ベガス
サラリーマンをやめたのに、全体的にライブトーナメントはそんなに行けませんでした。
特にベガスも行けなかったのは残念ですが、プライベートの大事なイベント(結婚式、子供の誕生など)と重なったので仕方ないです。 - ライブキャッシュ
ライブキャッシュを最後に打ったのは多分2023年です。
特にPLOのキャッシュをすれば良かったと思いますが、時間的に厳しかったです。 - ステーキング
厳しくバンクロールマネジメントをした結果ライブは5,000ドル以下のトーナメントにしか出ていませんが、スキル的にもう少し高いトーナメントも出れたかと思います。
アクションを売ったり、ステーキングを受けて出てみても良かったかもしれません。