GTO戦略ではすべての行動やベットサイズがバリューベットを元に考えられています。
状況によって違うベットサイズが使われたりします。
オーバーベットとは、ポット以上のベットをすることです。
オーバーベットが主に使われる理由は下記の二つだと思います:
- リバーまでにオールインして最大のバリューを取りたいから、オーバーベットしてポットを大きくする
- ターンやリバーによってバリューが取れなくなってしまう可能性があるので、取れるうちにできるだけたくさん取っておく
この記事では、BTN vs BBのフロップで使われるオーバーベットについて調べてみたいと思います。
必ずしも他のポジションの場合も(例えばUTG vs BTN)同じ傾向になるわけではありませんが、同じように調べることができますので、気になる方はやってみてください。
エフェクティブスタックの深さ(あるいはSPR)
GTOウィザードでBTN vs BBのフロップでのオーバーベット率をエフェクティブスタックによって調べてみました。
スタック | オーバーベット |
---|---|
20BB | 0.2% |
30BB | 1.2% |
40BB | 3.9% |
50BB | 4.9% |
80BB | 3.6% |
100BB | 3.6% |
- 20-30BB辺りは、オーバーベットをしなくてもリバーまで簡単にオールインできる
- 50BBまでGTOウィザードがオーバーベットサイズとして125%を使っていますが、80BB以上から150%を使っています。オーバーベット率がその理由で下がっていると思います。
基本的にエフェクティブスタックが深ければ深いほどオーバーベットが増えます。
ボードテクスチャ
どういうフロップボードでオーバーベットが多いか調べてみましょう。
BTN vs BB 40BBエフェクティブで調べた結果:
ボード | オーバーベット |
---|---|
レインボー | 5.8% |
フラッシュドロー | 2.9% |
モノトーン | 0% |
ボード | オーバーベット |
---|---|
ストレートドローあり | 5% |
ストレートドローなし | 3.2% |
ストレート可能 | 1.8% |
ボード | オーバーベット |
---|---|
ペアがない | 4.7% |
ペアボード | 0% |
トリップスボード (222など) | 1.5% |
これを見ると、レインボー&ストレートドロー可能だけどストレート不可能&ペアのないボードがオーバーベットが多いことがわかります。
最後にハイカードでも調べてみましょう。
すべてのフロップと、レインボー&ストレートドロー可能&ペアボードじゃないフィルターを付けて、両方とも調べてみました。
ハイカード | オーバーベット(すべて) | オーバーベット(フィルター付き) |
---|---|---|
A | 4.4% | 6.9% |
K | 2.4% | 4.6% |
Q | 2.6% | 5.4% |
J | 3% | 7% |
T | 4.5% | 11.3% |
9 | 6.8% | 19% |
8 | 7.5% | 24.8% |
7 | 5.8% | 21.3% |
6 | 4.6% | – |
5 | 1.4% | – |
4 | 1.1% | – |
3 | 0.7% | – |
2 | 1.5% | – |
8ハイボードと9ハイボードがオーバーベットが一番多いです。
8ハイで、上記のフィルターだと、なんとレンジの1/4がオーバーベットします。
詳しくどういうボードとハンドでオーバーベットするか見てみましょう。
オーバーベットの一番多い852レインボーボードでのBBがチェックしてからのBTNのアクション:
バリューは、キッカーの強い8x辺り、99-QQ など
ここでバリューとして大事なのは、
バリューを取れるうちにたくさん取っておきたいこと
上記のバリューハンドたちはターンやリバーによってフロップほどのバリューがとれなくなる可能性が高いハンドです。
ブラフはバックドア付き+オーバーカード又はダブルバックドア付きのハンド。
J4s, J6s, Q7o,T7o,QJo など
ブラフとして大事なのは
- より良いハンドを降ろせる
(例: J4sでオーバーベットしたらKJoが降りてくれる) - チェックレイズが返ってきたら降りてももったいなくないハンド
(例: 76sは降りるのがもったいないからオーバーベットしない)
最後に
トーナメントでプレイしたハンドが気になってピンポイントで調べるプレイヤーが多いと思いますが、ソルバーツールのレポートやレンジ機能を使って根本的に状況を調べてみると全体の傾向がわかって次回のより良いプレイにつながると思います。
みなさんもやってみてください。